誰しも思い出の味というのを
持っていると思います。
それは母親の作るカレーかもしれませんし、
旅先で出会った一皿かもしれません。
僕の場合は、ラーメンです。
僕がまだ小さかった頃は、
今のようにラーメン屋が乱立しているような街並みではありませんでした。
ラーメンと言えば、出前一択。
器にタプタプに入ったスープに、
「1滴も溢させねぇかんな!」という気合いを感じるラップがかけられている、
あのラーメン(ちょっと伸びてる)です。
そんなラーメンしか知らかった小学生時代。
実家の近くに「くるまやラーメン」が開店しました。
早速、家族で食べに行った時に
「こ、これが同じラーメンなのか?」と
衝撃を受けたのを、
50歳になった今でも鮮明に覚えています。
先日、下総中山から西船橋あたりを
散歩をしていると見つけてしまったんです。
くるまやラーメンを!

このロゴを見るだけで、その旨さに衝撃を受けた少年時代を鮮明に思い出すことができました。

確かあのとき・・・。
「味噌バターコーンラーメン」を頼んだはず。
コーン入ってたかな?
ちょっと忘れましたが。
バターは間違いないんです。
「ラーメンにバター入れていいの??」
とビックリしたのは覚えていますから。
(出前を取っていたラーメン屋には、こんなハイカラなラーメンはなかった笑)

あの頃と違うのは、
お酒も一緒に楽しめること。
自分のお金なので、親に気を使わず
堂々と餃子を頼めること(笑)

ズズッとスープを啜る。
濃いめの味噌に、溶け出すバターのコク。
この日の気温8度。
散歩で冷えた体に、
熱いスープがじんわりと染み渡ります。
「あー、美味しいなぁ……」
正直、あの頃と寸分違わぬ味なのか、
と聞かれたら確信はありません。
お店はパワーアップしてるでしょうし、
僕の味覚も、この30数年でずいぶん変わったはずですから。
でもね、いいの。そんなこと。

鼻に抜ける香りと、バターが溶けた黄金色のスープを見つめていると、確かにあの日、目を輝かせて丼に向き合っていた少年の僕が隣にいるような気がしました。
50歳になった今、こうして彼と再会できた。
それだけで、今日ここに来た意味があった。
それだけで嬉しかったのです。
それだけで愛おしい1日となったのです。
